ペEの日記

ペ  ゆるふわ電子工作系ブログ。

アナログ・RF回路設計、MMIC・導波管デバイス設計経験あり、C言語/C++/Python/Matlab/Octave経験あり、シミュレータADS/HFSS/LTspice/QUCS/ngspice/openEMS経験あり。


記事一覧

プリン作ってみた

今回は、プリンを作ってみたので記事にまとめておく。 カラメルソースの作り方: 砂糖50g、水大さじ3を鍋で褐色になるまで煮詰める。 熱湯大さじ2を加えて飴状に固まるのを抑制する。 ガラス容器3個に均等に分配する。 プリン本体の作り方: 卵2個、砂糖50g…

Ngspiceを用いたSPICEモデリングツール「MODELngspicer」の紹介

はじめに 本ブログでは、Ngspiceを活用した回路設計やデバイスモデリングに関する記事を投稿している。Ngspiceは、オープンソースのSPICE系回路シミュレータであり、DC解析・AC解析・過渡解析・ノイズ解析・Sパラメータ解析など、幅広い解析機能を備えている…

NE76084の3Dモデル作ってみた(FreeCAD)

秋月電子で販売されているNEC製MESFET、NE76084の3Dモデルを作ってみた。3DCADを扱うのは初めてだったが、いい感じに作れたと思う。ソフトはFreeCADを使用した。NE76084の電気的特性は過去の記事(NE76084(GaAs MESFET)を真面目に特性評価・モデル化してみ…

バリキャップダイオード1SV239・1SV280のモデル化

はじめに 秋月電子で販売されている東芝製のバリキャップダイオード「1SV239」と「1SV280」のSPICEモデルを作成したので記事に残す。1SV239はSOD-323パッケージ、1SV280はSOD-523パッケージだが、データシートに記載された特性に違いはなく、中身は同じもの…

Ngspiceによる結合伝送線路のシミュレーション その2:誘電正接(tanδ)

はじめに 前回の記事(Ngspiceによる結合伝送線路のシミュレーション - ペEの日記)で、Ngspiceを用いた無損失の伝送線路・結合伝送線路のモデル化について紹介した。今回は、さらに基板の誘電正接(tanδ)による損失の影響を考慮してみた。 誘電正接付きの…

Ngspiceによる結合伝送線路のシミュレーション

はじめに 今回は、Ngspiceを用いた結合伝送線路のシミュレーション手法について紹介する。結合線路は、方向性結合器、パターンフィルタ、ハイブリッドカプラなどの回路に利用される。過去に試作したVCO(広帯域VCOの試作(1~2.2 GHz/1.6~2.7 GHz) - ペEの…

マイクロストリップ線路計算ツール

はじめに Ngspiceでマイクロストリップ線路の分布定数モデルを作る目的で、特性インピーダンスおよび、単位長さあたりの等価的なインダクタンス・キャパシタンスを計算するためのツールを作成した。計算式はQucsのテクニカルノート(Microstrip components)…

NE76084(GaAs MESFET)を真面目に特性評価・モデル化してみた

1. はじめに 2. MESFETの動作原理 3. 評価 3.1. 殻割り 3.2. I-V特性の測定 3.3. Sパラメータの測定 4. MESFETモデル 4.1. 等価回路 4.2. グラジュアルチャネル近似によるドレイン電流の定式化 4.3. チャネル長変調効果 4.4. サブスレッショルドリーク電流 4…

バイアスティ(~3 GHz)の自作

はじめに 今回はバイアスティを作ってみたので紹介する。バイアスティとは、RF信号ラインにDCを重ねて供給するためのパッシブコンポーネントのことをいう。1本の同軸ケーブルからアンプに電源を供給しつつ、同時にRF出力も取り出したいときなどに使用される…

NgspiceでVerilog-A(アナログハードウェア記述言語)を試してみる

はじめに OpenVAF(Verilog-Aコンパイラ)のインストール 使い方 自分でVerilog-Aを書いてみる(その1) 自分でVerilog-Aを書いてみる(その2) はじめに Ngspice等のSPICE系のシミュレータでは、デフォルトでトランジスタモデルやダイオードモデルが用意さ…

SCPIコマンド構文解析をC言語で実装してみた

はじめに 今回は、計測器に広く使われているSCPIコマンド(スキッピーと読むらしい)の構文解析をC言語で実装したので紹介する。将来的には、これをマイコンに実装してオリジナル測定器をつくりたい。 コマンド仕様 コマンド仕様についてはここ(SCPI Basics…

PIC32MXマイコンのUARTブートローダーを試してみた

1. はじめに 2. 読むべきドキュメント 3. 開発の流れ 4. ブートローダープロジェクトの作成 4.1. MCCの設定 4.2. main.cのコーディング 5. アプリケーションプロジェクトの作成 5.1. MCCの設定 5.2. リンカースクリプトの設定 5.3. コーディング 5.4. ビルド…

PIC32MXマイコン+FreeRTOSでLEDチカチカ

1. はじめに 2. ハードウェア 3. ソフトウェア 3.1. 開発環境のセットアップ 3.2. MCC Content Managerのセットアップ 3.3. MPLAB Code Configurator(MCC)でコード生成 3.4. FreeRTOSのタスクを作成 4. 結果 1. はじめに 最近、久しぶりにPICマイコンで遊…

ショットキーダイオードでコムジェネレータ作ってみた

はじめに 前の記事: ショットキーダイオードを用いたコムジェネレータの実験 - ペEの日記 コムジェネレータ用の発振回路の設計 - ペEの日記 で、ショットキーバリアダイオードを用いた半波整流回路により、源振を25 MHzとして帯域~2 GHzくらいまでの高調波…

SMAコネクタについてちょっと真面目に考えてみた話

はじめに 今回は、SMAコネクタについて少し真面目に考えてみたので記事にまとめる。SMAコネクタは同軸コネクタの一つで最大18 GHzまで取り扱うことができる。下図のように取付方法による違いでいくつか種類がある。 プリント基板に実装する場合、エッジマウ…

MSペイントという回路図エディタのすすめ(小ネタ)

はじめに みなさんは、MSペイント(Microsoft Paint)をご存知だろうか。私は昔から使っていて、このブログに載せている図のほとんどをペイントで作成している。マイクロソフト製のソフトはWordやExcel等ゴミソフトが多い中、ペイントだけは評価できる。今回…

コムジェネレータ用の発振回路の設計

はじめに 前の記事:ショットキーダイオードを用いたコムジェネレータの実験 - ペEの日記 でショットキーバリアダイオードを用いたコムジェネレータの実験をした。基本波の発振源としてファンクションジェネレータを使用していたが、源振に含まれるスプリア…

ショットキーダイオードを用いたコムジェネレータの実験

はじめに コムジェネレータとは入力信号の2倍、3倍、4倍、...の高調波を沢山発生させるもので、スペクトルが櫛状(comb)に見えることからそう呼ばれている。時間波形で考えると、一定周期で繰り返す短パルスをつくることでコムが発生する。 ふつうコムジェ…

RFミキサのシミュレーション

はじめに 前の記事 高周波バラン(~2.5 GHz)の自作 - ペEの日記 自作したバランのモデル化 - ペEの日記 ショットキーバリアダイオード1SS154のモデル化 - ペEの日記 でバランの試作・モデル化、ショットキーバリアダイオードのモデル化をした。ミキサを構…

自作したバランのモデル化

はじめに 前の記事(高周波バラン(~2.5 GHz)の自作 - ペEの日記)でガラスビーズに銅線を巻いた高周波バランを試作した。今回は、前回の測定結果をもとに等価回路モデルに落とし込む。 等価回路モデル 下図にバランの等価回路モデルを示す。Lm1、Lm2は巻…

NgspiceでSパラメータ解析

はじめに Ngspiceを使ったSパラメータ解析のやり方を覚え書きとして残しておく。ためしに、下のバンドパスフィルタ回路を解析してみる。 全体のスクリプトは一番下に載せるが、大事なポイントを抜き出して説明すると... まず、電圧源はRFポートとして定義す…

高周波バラン(~2.5 GHz)の自作

はじめに 前の記事(ガラスビーズコア高周波巻き線インダクタの自作 - ペEの日記)でガラスビーズに銅線を巻いたインダクタの特性を評価した。今回は、ガラスビーズに2本の銅線を巻いてバランを試してみた。 原理 そもそもバラン(balun)とは、平衡回路-不…

ガラスビーズコア高周波巻き線インダクタの自作

はじめに 高周波回路で使用するインダクタを自作できないかと思い、手芸用のガラスビーズに銅線を巻いて空芯コイルを作ることを思いついた。というのも、普通はコア材としてフェライトやカーボニル鉄を選ぶと思うが、1 GHz以上の高周波になるとコア材の複素…

ショットキーバリアダイオード1SS154のモデル化

はじめに 秋月電子で購入できる高周波用ショットキーバリアダイオード1SS154(東芝製)について、Ngspiceを用いてSPICEモデルを作成したので記事に残す。秋月のショットキーの中ではこれが最も寄生容量が小さく高周波向きである。今後1SS154を使用して~2.4 G…

200年ぶりに秋葉原に遊びに行った話

2024年12月1日(日)、特に目的もなかったが天気もいいし気分転換にと久々に秋葉原に遊びに行った。買い物は秋月でピンヘッダとかをとりあえず大量買いしたり、千石で何か面白いものないかなあと見て回ったりしただけ。ラジオデパートのマイクロパワー研究所…

PLLシンセへの道~ チャージポンプについて、ひとりごつ。

はじめに 以前VCOの試作(広帯域VCOの試作(1~2.2 GHz/1.6~2.7 GHz) - ペEの日記)をしたが、これを使ってPLLシンセサイザへと応用したい。実はあの後、もう一度基板を起こしてPLLを組んでみたのだが上手くいかなかった。現象としては位相ロックがかかり…

広帯域VCOの試作(1~2.2 GHz/1.6~2.7 GHz)

はじめに 原理 回路図 試作 測定結果①(VCO L=6 mm) 測定結果②(VCO L=12 mm) 課題(自己共振の抑制) はじめに 今回は、マイクロストリップフィルタを用いた広帯域VCO(voltage controlled oscillator)を試作し、発振周波数・出力パワーを測定したので記…

BGA616というアンプ

はじめに 回路 測定 はじめに 今回は、秋月電子で販売されているBGA616というInfineon製のDC~2.7GHz広帯域アンプを評価してみた。 akizukidenshi.com データシートからFeatureの部分を引用↓ 3 dB-bandwidth: DC-2.7 GHz with 19.0 dB typical gain at 1.0 G…

Fusion PCBのFR-4の誘電率を測ってみた

はじめに 測定結果 誘電率をフィッティング 結論 ソースコード はじめに Fusion PCBという$4.9〜でプリント基板を注文できるサービスがある。Fusion PCBの注文画面(下)では、材質をFR-4 TG130、アルミ基板、フレキシブル基板から選択できる。「TG130」は…

3000円RFミキサを評価してみた

はじめに 動作確認 はじめに アマゾンで3000円のRFミキサを購入してみた↓。HMC213というHittite製のGaAsダブルバランストミキサが使われているらしい。周波数範囲はRF:1.5~4.5 GHz、IF:DC~1.5 GHz。今持っているスペアナの帯域が2.1 GHzまでなので、それ…