ペEの日記

ペ  ゆるふわ電子工作系ブログ。

アナログ・RF回路設計、MMIC・導波管デバイス設計経験あり、C言語/C++/Python/Matlab/Octave経験あり、シミュレータADS/HFSS/LTspice/QUCS/ngspice/openEMS経験あり。


記事一覧

Ngspice

Ngspiceを用いたSPICEモデリングツール「MODELngspicer」の紹介

はじめに 本ブログでは、Ngspiceを活用した回路設計やデバイスモデリングに関する記事を投稿している。Ngspiceは、オープンソースのSPICE系回路シミュレータであり、DC解析・AC解析・過渡解析・ノイズ解析・Sパラメータ解析など、幅広い解析機能を備えている…

バリキャップダイオード1SV239・1SV280のモデル化

はじめに 秋月電子で販売されている東芝製のバリキャップダイオード「1SV239」と「1SV280」のSPICEモデルを作成したので記事に残す。1SV239はSOD-323パッケージ、1SV280はSOD-523パッケージだが、データシートに記載された特性に違いはなく、中身は同じもの…

Ngspiceによる結合伝送線路のシミュレーション その2:誘電正接(tanδ)

はじめに 前回の記事(Ngspiceによる結合伝送線路のシミュレーション - ペEの日記)で、Ngspiceを用いた無損失の伝送線路・結合伝送線路のモデル化について紹介した。今回は、さらに基板の誘電正接(tanδ)による損失の影響を考慮してみた。 誘電正接付きの…

Ngspiceによる結合伝送線路のシミュレーション

はじめに 今回は、Ngspiceを用いた結合伝送線路のシミュレーション手法について紹介する。結合線路は、方向性結合器、パターンフィルタ、ハイブリッドカプラなどの回路に利用される。過去に試作したVCO(広帯域VCOの試作(1~2.2 GHz/1.6~2.7 GHz) - ペEの…

NE76084(GaAs MESFET)を真面目に特性評価・モデル化してみた

1. はじめに 2. MESFETの動作原理 3. 評価 3.1. 殻割り 3.2. I-V特性の測定 3.3. Sパラメータの測定 4. MESFETモデル 4.1. 等価回路 4.2. グラジュアルチャネル近似によるドレイン電流の定式化 4.3. チャネル長変調効果 4.4. サブスレッショルドリーク電流 4…

NgspiceでVerilog-A(アナログハードウェア記述言語)を試してみる

はじめに OpenVAF(Verilog-Aコンパイラ)のインストール 使い方 自分でVerilog-Aを書いてみる(その1) 自分でVerilog-Aを書いてみる(その2) はじめに Ngspice等のSPICE系のシミュレータでは、デフォルトでトランジスタモデルやダイオードモデルが用意さ…

コムジェネレータ用の発振回路の設計

はじめに 前の記事:ショットキーダイオードを用いたコムジェネレータの実験 - ペEの日記 でショットキーバリアダイオードを用いたコムジェネレータの実験をした。基本波の発振源としてファンクションジェネレータを使用していたが、源振に含まれるスプリア…

RFミキサのシミュレーション

はじめに 前の記事 高周波バラン(~2.5 GHz)の自作 - ペEの日記 自作したバランのモデル化 - ペEの日記 ショットキーバリアダイオード1SS154のモデル化 - ペEの日記 でバランの試作・モデル化、ショットキーバリアダイオードのモデル化をした。ミキサを構…

自作したバランのモデル化

はじめに 前の記事(高周波バラン(~2.5 GHz)の自作 - ペEの日記)でガラスビーズに銅線を巻いた高周波バランを試作した。今回は、前回の測定結果をもとに等価回路モデルに落とし込む。 等価回路モデル 下図にバランの等価回路モデルを示す。Lm1、Lm2は巻…

NgspiceでSパラメータ解析

はじめに Ngspiceを使ったSパラメータ解析のやり方を覚え書きとして残しておく。ためしに、下のバンドパスフィルタ回路を解析してみる。 全体のスクリプトは一番下に載せるが、大事なポイントを抜き出して説明すると... まず、電圧源はRFポートとして定義す…

ショットキーバリアダイオード1SS154のモデル化

はじめに 秋月電子で購入できる高周波用ショットキーバリアダイオード1SS154(東芝製)について、Ngspiceを用いてSPICEモデルを作成したので記事に残す。秋月のショットキーの中ではこれが最も寄生容量が小さく高周波向きである。今後1SS154を使用して~2.4 G…